みんなのイベント楽屋裏

EPISODE #4

そのイベント、テーマを一言で言えますか

・ 31分 ・ 出演: ダイム × 砂流恵介

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今日のパンチライン

「いいテーマは自然とみんなが口にする。」

あなたの現場ではどうですか?

「うちはこうしてる」「いや、そうじゃない」——1行でもOK。番組で読んで、2人が答えます。

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この回で話したこと

  • テーマはタイトルでもスローガンでもなく、なぜやるかの一番大事な言葉
  • テーマがないと「呼びたい人を呼びました」になる
  • 省庁・自治体を巻き込んだサミットで、どうテーマを立てたのか
  • 抽象的なテーマと具体的なテーマの使い分け
  • 生成AIのテーマが「たとえば」で止まっている理由

ショーノート

第4回のテーマは「イベントのテーマ、どう決める?」。第2回で「話し始めたら今日が終わらない」と言って預けたまま、ずっと気になっていた話です。テーマはタイトルなのかスローガンなのか。テーマがないとセッションはどう壊れるのか。省庁や自治体を巻き込んだサミットで、実際にどうテーマを立てたのか。抽象的なテーマ(IVSの「Japan is Back」)と具体的なテーマの使い分け、30人の勉強会でもテーマは要るのか、そして生成AIが出してきたテーマが、なぜ「やめてもらっていいですか」になるのかまで。

明日から使える型がひとつ出てきます。「たとえば」をたくさん並べたあとに、ひとこと聞く。それだけで、AIが出してくるテーマが変わります。

この回を記事で読む(note) この回の内容をまとめた記事

トーク全文

テーマは、タイトルでもスローガンでもない

ダイム

今日の言葉は「テーマ」なんですけど、これって人によって「テーマとは何ぞや」のイメージがバラバラだと思うんです。イベントのタイトルみたいなのとは違うんですか? スローガンみたいな。

砂流

タイトルでもあるような気はするんですけど、どっちかっていうとスローガンに近いのかな、という感じはしていて。

そもそもテーマは、なんでこのイベントをやるんだっけ、という大上段の、一番大事な言葉。コピーでもいいし、キャッチコピーでもいいし、スローガンでもいいんですけど。

ダイム

みんなが共通で語れるワードを、テーマとする。

砂流

そうです。そこが大切だなと思っていて。僕は基本的にテーマから作っています。

なんでテーマが大切かというと、ゼロから作らなきゃいけないときって、なんとなく始まるんですよね。会社でリードを取りたいからイベントやろうとか、セミナーやろうみたいな。

ダイム

イベントの起点って、リードを取りたいか、リクルートをしたいか。どっちかですもんね、基本。

砂流

そのときに、そのイベントの意義みたいな話から入ることって、ほぼないと思うんですよね。だからこそ「なんでこのイベントやらなきゃいけないんだっけ」を他の人に説明できなかったりする。

なので、まずはテーマを決めて、ゴールを明確にしたい、というか。

ダイム

北極星みたいなところを明確にしておかないと。

砂流

そうですね。

テーマがないと、「呼びたい人を呼びました」になる

ダイム

あるあるの構図は、「社長がやるぞ」となって、「じゃあお前に任せた」となって、イベント責任者だとなったときに、イベント責任者が「あれ、イベントってなんでやるんでしたっけ?」みたいなところがふわっと走る。これ、どういう事故になりますかね?

砂流

まず、セッション系が多いイベントだった場合は、自由なセッションになるかもしれない。呼びたい人呼びました、とか。

ダイム

アサインしやすい人を集めた結果、「これってそもそもこのセッションって、どういうことを伝えたかったんだっけ?」みたいな。セッションの一本線が通らなくなる

砂流

そう。それが、一人で全部やってるんだったら、言葉にしなくても軸があるかもしれないんですけど。じゃあセッション1はAさん担当で、セッション2はBさん担当ね、となったときに、もうめちゃくちゃになるじゃないですか。

ダイム

イベントを実施する組織を決めていくときに、発起人がいて、イベント責任者がいて。会社だと分かれて、そのイベント責任者の中にコンテンツ担当者が2、3人いて、となってくると、もう伝言ゲームになっちゃうんで。

砂流

そう。さらに、その人の興味関心で呼んじゃうと、本当にその人が聞きたいだけのセッション、もしくはその人が繋がりたいからこの人を呼びたい、とかがあって。来る人のことが考えられてなかったり。

逆に登壇者側からしても、もう散々擦ってきた話を、同じ話をまたここでしてほしいって言われるのって、結構厳しい。

ダイム

もうYouTubeで上げたりとかしますもんね。記事とかで書いたりとか。

砂流

セミナーとか勉強会だったら、まだそれでもいいと思うんですよ。違う場所でやる意味が少なからずあると思うんですけどね。

パネルディスカッションだった場合も、呼ばれた人が全く共通点が「AI」くらい広い共通点だと、「何を喋ればいいんですか」みたいな話にもなる。

だからこそやっぱり、大きな指針がないとブレるんですよ。

大きなテーマ、ゴールがあって、こうしたいよね、だからこういうセッションをするべきだよね、だからこういう人を呼ぶべきだよね、と。

省庁も自治体も呼ぶなら、テーマがないと意味がわからなくなる

ダイム

この考え方っていつ頃から意識しているんですか? 「テーマ大事だ」って、なかなか思わない気がするんですけど。

砂流

それこそ今年の2月に、自治体さん向けに地方自治体インフラAXサミットというイベントを開催したんですね。ゼロから立ち上げたもので、運営は委員会形式です。国交省の方に入っていただいたり、アイシンさんというトヨタのグループ会社に入っていただいたり、先生に入っていただいたりしながら、天地人も入っていて。天地人が委員会の中でイベントを運営しますね、と。その運営の統括が僕です、という落とし込みなんですけど。

自治体さんに来てもらいたいんですけど、初めてのイベントだからこそ、参加者も登壇者も協力者にも、「何のためにやるの?」「何のイベントなの?」が伝わらないと誰も興味を示してくれないんですね。

だからこそ、テーマが必要だというのがありました。

ダイム

アンカーを作るというところで、テーマがないと進まないですよね、という話ですね。

砂流

なので、まずテーマを作りますという話になるんですけど。

自治体ってベテランの方がどんどん引退されているんですけど、ベテランの知見と勘とかで成り立ってる仕事が多いのに、それを後世に引き継ぐことが、なかなか難しい現状なんですよね。

そういった現状もあって、8がけ社会ということを、小林史明議員さんとかが言われているんですけど。要は、10人で回していたものを8人で回せるようにならないと、って話なんですけど、そこから広げてテーマを考えました。それで出来上がったテーマが、「その経験と勘を、AIで継承できる資産に」です。

この言葉に決めるまでにもちろんいくつかの案はあったんですけど、色んな案を社内や自治体の方にも見ていただいたりしながら決めました。

それで、テーマが決まると、「こういうイベントをやりたくて、ベテランの方の経験と勘をAIで継承できる資産にしたいというのがテーマで、その背景には8がけ社会というのがあって……」という話をすると、「確かにそうだよね。このイベントはやったほうがいいよね」ということを皆さんが思ってくださって、協力してくれるように初めてなるんですよ。

委員会に後から入ってくださってる方もいるんですけど、そこもやっぱり「それだったら僕らも乗りたい」となる。

自治体の方を主役にしたかったので、自治体の職員さんにもたくさん登壇いただいたのですが、「こういう意義を持って我々としてはやっているので、ぜひ出てほしいです」という話もできました。

抽象的なテーマと、具体的なテーマ

ダイム

そこでいくと、テーマのレベル感がちょっとむずいなと思って。いまの自治体を巻き込んだものは、結構具体的にテーマを決めたじゃないですか。一方、IVSの今年のテーマって「Japan is Back」という、割と抽象的なテーマだったと思うんですけど。この抽象と具体のテーマって、何がいいですか。

砂流

IVSは毎年テーマを決めているじゃないですか。あれは一年に一回必ずやってるイベントで、かつスタートアップというものの潮流を捉えた言葉にしないと、スタートアップの人たちが来にくいというか、「それ俺たちのイベントじゃない」って思う。

抽象的なやつは抽象的なやつで、みんなが自分事だと思えないといけないから。答えになってないかもしれないですけど、今を捉えてるかどうかは、すごく大切だなとは思いますね。

ダイム

参加者だけじゃなくて、登壇者も含めて、それが自分ごとであるという判断基準、テーマになっているか。参加しやすいテーマになってるかというところと、その話題であれば自分が参加できる、話したいという、イベントに参加する上での判断基準になっている。この二軸がテーマとして大事。

砂流

参加者側からすると、テーマは正直あんまり関係ないんだとは思います。ただ、大きなテーマがないと、一体感も生まれないし、さっき言った「やりたい人がやりたいことをやる」セッションばっかりになって、「なんだこれ」みたいな話になっちゃうので。

参加者は、最終的なアウトプットになったものを見て決めているとは思うんですけど、テーマがない限り、いいアウトプットには基本的になりにくいと思います。

ダイム

これって、IVSとか自治体向けのイベントとか、割と大きめの話をしましたけど、30人の勉強会とか社内イベントとかでも作るものなんですか?

砂流

30人とかの勉強会だったら作らなくてもいいとは思います。その場合ってストレートに、イベントタイトルがコンテンツのテーマじゃないですか。

イベントタイトルがいけてなかったら、人はそもそも来ないはずなんで。

ダイム

イベント名=テーマ。PR勉強会とかそうですよね。毎年とか毎月恒例化しているイベントは、イベント名とテーマが分かれているし、割と単発でやるものに関しては、イベント名=テーマになってるかもしれない。

テーマを思い出せるイベントは、いいイベント

ダイム

テーマを思い出せるイベントのほうが、いいイベントってのはある気がしますね。

砂流

多分そうだと思います。IVSでもいいテーマだと、「今年のテーマは何々です」って自然といってますよね?

ダイム

そうですね。「今年のテーマはこういうテーマで、それに対してこういうコンテンツを作っていってるんで」ってなりますね。

砂流

今年のIVSに関しては、広報もマーケも「今年のテーマはJapan is Backで……」って、今までより言っていたと思います。

ダイム

過去回も含めると、一番言ってましたよね。

砂流

そう考えると、テーマがみんなスッと入っていると、言いやすいというのもあるし。それが意義深ければ喋りやすかったりとか。パンチがあって分かりやすければ、みんな勝手に。

ダイム

長いと覚えられないですからね。

AIが出すテーマは、「たとえば」で止まっている

砂流

最近は、Claude CodeとかChatGPTとかでサッとテーマを出してきて、ぶつけてこられることが増えました。それの精度があまりにも悪くて……。

ダイム

とはいえ、Claude Code使うじゃないですか。その投げ方だと思うんですよ。

砂流

そうなんですよね。

僕、コピーライターの知り合いに阿部さんという方がいらっしゃるんですけど。阿部さんがよく言っているのが、「たとえば」ということをたくさん出して、コピーを作るときに「たとえば何々、たとえば何々」、で、「つまりそれってこういうことですよね」の、「つまり」がコピーになる、みたいな話をしてるんですね。

「たとえば」と「つまり」は、すごいわかりやすいなと思ってて。

それで、生成AIが出してくるテーマって、「たとえば」で言ってることが、多いんですよ。まだ「つまり」になってない。確かにそれは内包されているものの一つではあるけど、「それイベントの主題じゃないですよね」みたいなやつをぶつけてこられることが、まず一個ありますと。

そもそも、言葉があまりにAIすぎて、「ちょっとやめてもらっていいですか」みたいなやつがありますと。

ダイム

AIっぽさね。

砂流

そう。だから、それを作った人に、「じゃあ、隣にいるイベントに一切関わってない人に、その話を説明してみて。テーマこれです、から説明してみて」って言うと、大体できないんですよ

ダイム

それを勝手に考えてもらったからね。

砂流

なので、「たとえばこういうこと、たとえばこういうこと」をたくさん入れて、「これを全部入れたようなテーマにならない?」って言って、ChatGPTとかClaude Codeに出させると、もうちょっといいやつができると思います。

いいテーマは、自然とみんなが口にする

ダイム

つまり、いいテーマというのは、参加者・当事者の共通の言語になるというところ。セッションを組んでいったりとか、スポンサーとか、参加者に対して、共通の一つの話題になるというのがテーマ。何かを決めていくにあたって、判断基準になっていくのがテーマですかね。

砂流

そうですね。

ダイムさんはテーマを自分で決めることあるんですか?

ダイム

あんまりないですかね。基本、もう主体の方々がいるんで、ほぼほぼ決まってることが多いんですけど。

僕はその「こうせねば」みたいな内面的なものがあるわけではないので、客観的に聞いたときに「いや、でもこのテーマって、この人たちだとズレますよね」とか、割とそのチューニングに入ることはあるかもしれないですけど。

砂流

じゃあ「これイケてないな」って思ったらどうするんですか?

ダイム

やんわり聞く。フィックスしているのかを確認して、してなければ「テーマって、ちなみにこっちの側面とかって……」って聞きます。それに対して「確かに」となれば、「じゃあこういう側面ですかね」みたいな。

入ったばかりのタイミングであれば聞けるので。後々になって「なんかテーマ、いけてなかったですね」というよりも、最初のタイミングで「テーマって、ちなみにこれでいくんですか?」って。

確固たる意思があれば「わかりました。じゃあそれに合うように踏みますね」と言いますし。だから割と柔軟にやってます。

砂流

なるほど。では、今日のパンチライン、お願いします。

ダイム

今日のパンチラインは「いいテーマは自然とみんなが口にする」です。

砂流

おお! それでいきましょう。

ダイム

ということで、この「みんなのイベント楽屋裏」では、皆さんのイベントの楽屋裏も募集してます。今日の話でいうと、僕らのテーマの決め方をお話しさせていただいたので、あなたの現場のテーマ決め。「うちはこうしてる」「いや、これ困ってんだよね」みたいな話、ぜひ聞かせてください。宛先はウェブサイトがありますので、そちらからお便りを送るでぜひぜひ。お便りお待ちしております。

砂流

次回は、組織図の話。ダイムさんの主役回でいきたいと思います。というわけで、また次回の楽屋でお会いしましょう。ありがとうございます。

今日のパンチライン

「いいテーマは自然とみんなが口にする。」

聴き終わったら、楽屋にひとこと。

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